工程1 デザインを考える
テーマやお客様のご要望をもとに数パターンのデザインを考えます。最初はスケッチブックに手描きでラフを描くことが多いです。チョークトリオは鉛筆派です。カリカリと赴くままに。ステッドラー社の鉛筆を愛しています。
工程2 下書き制作
手描きのスケッチをもとにiPad Proで下書き制作。Procreateというアプリを使っています。
デジタルのいいところは大きさやレイアウトを自由に修正できることです。消しゴムで消してまた書き直すのはかなり手間だったりするので文明の発展に感謝しかありません!
工程3 色彩計画・カラーラフ制作
単独のモチーフの時はこの工程は省略することもありますが、大きな作品や描くモチーフがたくさんある時は必ずデジタル上でカラーのシミュレーションをします。以前はPhotoshopでしかもマウスでポチポチやっていたので時間もかかっていましたが、iPad Pro様のおかげで手描きに近い感覚でカラーサンプルを作れるようになり快適です。
工程4 黒板に下書きを写す(トレースダウン)
工程2で仕上がった下書きをプリントアウトし、白のチャコペーパーなどを使って下絵をボードに写します。
この時チャコペーパーの裏表が逆になっていると手は確かに痛いのに、なにひとつ下に写っていないという悲しい結末になります!
工程5 色塗り
ここからはひたすらにオイルパステルで描き込んでいきます。色が混ざらないよう注意しながら明るい色からスタートします。
リアルな描写で描く場合は特に光と影の関係を意識します。デッサン能力はチョークアートではかなり重要だと思います。日々精進しなければ。。。
工程6 文字入れ
文字がある場合は、ポスカ、オイルパステル、ホワイトペンシルなどを使って文字入れをします。一番緊張感が高まる工程かもしれません。
工程7 ゴミ取り&修正
はみ出した部分や汚れのついた場所はブラックペンシルや下地の黒を使って画面をきれいにお掃除します。パステルのカスはマスキングテープで絡めとってさようなら!この後のコーティング加工の下準備です。ボードを食い入るように見つめてゴミを探します。あまり見られたくない姿です。
工程8 コーティング加工
オイルパステルが消えないように仕上げに3種類のスプレーでコーティング加工をします。雨や紫外線から少しでも劣化を防ぐための加工です。念入りにします。
おまけの道具紹介
左からピンセット、デザインナイフ、カメラのレンズの掃除用のブロアー。(ブロアーという名前を初めて知りました。シュコシュコと呼んでいます。)
ピンセットは細かい部分のマスキングテープを剥がすときに使います。 呉竹から出ているTweezer Beeという商品でした。大昔に買ったのですが、めちゃめちゃ高級なピンセットだな!と思った記憶があります。高いだけあって本当に細かい作業がしやすいです。
デザインナイフはマスキングテープの曲線を切るときに使います。刃が小さく細いのでカッターより作業がしやすいです。
そしてシュコシュコ、もとい、ブロアー。これが地味にいい仕事をします。描いているときに細かいパステルのカスが出るのですが、刷毛でささっと叩いてもいいんですが、たまにブラシについたカスのせいで画面を余計に汚してしまうことがあるのでこのブロアーをシュコシュコしてエアーでゴミを飛ばしちゃいます。
完成した作品はこちらの記事で紹介しています。